COVID-19のインパクトとそれへの対応(その2)

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1. はじめに


 皆様いかがお過ごしでしょうか。前号の後半ではCOVID-19に対して自助的な対応として体の免疫力を高めて健康を維持することと、生活習慣への留意に少し触れました。COVID-19によるパンデミックの収束を願ってやみませんが、いつまで続くのか分かりませんし、下火になってからも長引く可能性もあります。また私たちが生きている間には、また別の新しく恐ろしい感染症が発生することも考えられます。

 今号では、COVID-19への自助的で本質的な対応策について整理してみます。COVID-19への医療体制の拡充、治療薬の開発など、世界的な公助による対応策が待たれる現状ですが、それとても万全ではなく、これを災害と捉えると各々の自助的な取り組みが重要になります。巷では、外出時のマスク着用と手洗い・うがいが推奨されているようですが、私は自助による対策の優先順位を付けるなら、第一は体の健康を維持することであることに異論はないかと思います。手洗いも大切でしょうが、順番から言うと第二は「うがい」ではないかと考えます。


2. COVID-19への自助的で本質的な対応策: 健康の維持


(1) 特に栄養に留意して腸内環境を整えましょう

 睡眠、栄養、適度な運動などが私たちの心身の健康を支えているのですが、なかでも栄養については、様々な有用情報があり、目移りしてしまいがちではないでしょうか。結局のところは、人間が昔から食べているものは全て体に良いものが選ばれた結果であるので、それらを幅広くバランスよく摂取することが栄養の基本だろうと思います。

 特に小腸には、免疫細胞の6~7割が集中しているので、免疫力は腸内環境に大きく左右されるといいます1)。腸内環境は体に有用な乳酸菌、ビフィズス菌などの善玉菌と害を及ぼす悪玉菌があり、そのバランスによって保たれています。善玉菌の餌となる野菜、果物、発酵食品などの食物繊維や乳酸菌を積極的に摂ることで、腸内環境を良好に保つことが望まれます。具体的には、大根、椎茸、ニンジン、玉ねぎ、りんご、ハチミツ、納豆、ヨーグルトそれに青魚などが腸内環境を整えるうえで良いそうです。私の家族の食卓でも以前からハチミツ、納豆、ヨーグルトを毎日おいしく頂いています。ニンジンと玉ねぎは、鼻やのどの粘膜を強くするビタミンAも多く含むので、後述する「のど」での感染症対策にも有効ですね。また、ニンニクの臭い成分である硫黄化合物アリシンは免疫力強化、疲労回復の効果があるそうです。またニンニクは米国の国立がん研究所が「デザイナーズフード計画」で整理した重要性の高い食品のピラミッドの頂点にその名前が記されています2)。ニンニクに上記の大根、ニンジン、乳酸菌を豊富に含む発酵食品といえば、カクテキなどのキムチ類を思い出さないでしょうか。キムチには白菜浅漬けの約160倍もの乳酸菌が含まれ、しかも胃酸に強いので腸まで到達しやすいといいます3)。韓国でCOVID-19の拡大が比較的小さいのも、このキムチの常食が一因に挙げられないでしょうか。


(2) 中米原産のチアシードは万能食品です!

 そして私が特にお勧めしたいのは、メキシコやグアテマラなどの中米を原産地とする「チアシード」です。チアシードは元々ダイエット食品として注目されていますが、①ミネラルによる免疫力強化、をはじめとして、

② 便秘解消

③ アミノ酸による美肌

④ αーリノレン酸による糖尿病の予防、改善

⑤ 骨の強化

⑥ 満腹感

⑦ PMS改善

など様々な効果があり、是非食習慣に取り入れたい食材です4)。食べ方としては、まず「水」に12時間浸けて膨張させ、消化を良くします5)。膨らんだチアシード(写真)は、慣れないうちは正直、グロテスクで食欲をそそりません。これをヨーグルトや野菜・果物ジュースなどに混ぜて食します。つぶつぶの種をよく噛んでから飲み下します。私の家族はヨーグルトと先述のハチミツ、チアシードを混ぜたものを毎日食べています。これにカットフルーツを加える日もあります。


水に一晩漬けて膨張させたチアシード


(3) その他に食事で気をつけること

 食品を幅広くバランス良く摂るのは理想的ですが、それを常に続けるのは料理や買い物でのストレスになることもあります。また、野菜の栄養価は50年前に比べて大きく低下していると指摘されており、また収穫後の時間経過や調理によっても栄養価が落ちます6)。そこで食事に加えてサプリメントで不足する栄養素を補うこともためらいなく取り入れるべきでしょう。私の場合、マルチビタミン、マルチミネラル、コエンザイムQ10、DHA/EPA(魚油)などのサプリメントを摂っています。

 他方、食べない方が良いものはこの際、断ち切ることにしましょう。それは人工的に作られたもので、特に「マーガリン」や甘味料の「果糖液糖ブドウ糖」などです。


 今号はここまでとさせて頂きます。コロナ禍は下火になろうとも長引くと思われます。皆様お体ご自愛ください。次号では、第二優先の「うがい」について整理したいと考えています。今号も最後まで読んでいただきましてありがとうございました。


1) 「40歳からは食べ方を変えなさい!」済陽高穂、三笠書房.

2) 「Functional Foods, Nutraceuticals and Natural Products, Concepts and Applications」Prof. Dhiraj A. Vattem, Ph.D, Vatsala Maitin, Ph.D. DEStec Publications, Inc. 2016.

3) 「キムチの栄養成分には驚きの効果が!加熱すると栄養は壊れる!?」、言の葉手帳、https://kotobanoimi.com/kimuti-eiyou-kouka-1114

4) 「チアシードのダイエット効果とやり方【食べ方】おすすめのレシピは?」ダイエット美、https://dietbi.com/chiaseed-463.html

5) 「チアシードの効能と効果のある食べ方は?加熱せずに水でもどしてジュースやスムージーに入れるのが一番!」40’s Exchange Hack、2019年8月23日.https://40exchange.com/chiaseeds-1197

6) 「40代からの「太らない体」のつくり方」満尾正、三笠書房.

中小企業の中南米進出を支援するビジネスコラム

なぜ、今本邦企業が中南米地域に進出すべきなのか。そこは、33カ国の広範囲を領した人口約6億人、GDPは5.1兆ドル(2015年)とASEAN5の約2.5倍で、既に巨大な中間層市場を形成した魅力的な市場です。日本にとっての“地球の裏側”という物理的な距離の遠さを「利用」し、本邦中小企業がビジネスチャンスを生み出し進出するための支援を我々は行っています。